抄録
要約
現在、多くの医療現場で治療に使用されている鍼といえば大部分が豪鍼で刺す鍼が中心である。今後刺さない鍼の研究を進めていくことは、鍼灸師の手技範囲を広げるのに特に重要と考え、今回、小里式てい鍼の臨床試験を行うことにした。まずは小里式てい鍼の偽てい鍼を作成し信憑性テストを行ったところ、偽てい鍼は見破れないという結果となり、次に偽てい鍼を用いランダム化比較試験を行った。サンプル数が少ないため効果量を求めた。結果、効果量=0.33 となり、中等度の効果があった。両群共わずかの改善がみられたが、偽鍼群の方が有効となった。