抄録
要旨:
体外に血液を導き出す,血液透析治療や人工心肺治療などの体外循環において,血液の凝固対策は命に関わる重要な課題の一つである.血液透析時の血液凝固の有無の確認は,血液回路の内圧上昇や目視などで判断する.従来の方法では血液凝固のある程度の進行を前提としているため,血液凝固の発見時点で,血液の循環回路の交換が必要であり,治療患者への負担を強いる.
本研究では上記課題に対し,赤外線の吸光度の変化から,血液凝固(血液内の異物)を検知するシステムの試作を行った.本システムにより,循環流体中における,1mm サイズの異物検知を確認した.血液凝固の早期検知への応用に期待できると考えられる.
Keywords: 体外循環,血液透析,血液凝固,赤外線センサ