2017年度  東京福祉専門学校

入院中の家族がいる子どもに対する支援



抄録

1. はじめに

私たちは、卒業研究をするにあたり、メンバーが関心をもつ児童分野と医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)を題材とし、進めていくことになった。

まず現在どのようなこと(キーワード)に注目され研究がなされているか、問題として挙げられているものについて調べると、ターミナルケア、レスパイトケア、長期入院児に対する学習支援などがあった。

その中でも特に患児にとって身近な学習支援に絞り調べを進めると、問題は学習面の遅れだけではなく、さまざまな要因により不安を抱えてしまうこと、またそれに対する心理的支援の必要があるとわかった。

このためテーマを「長期入院児に対する学習支援」から「長期入院児に対する遊び・レクリエーション等による心理的支援」に変更し、改めて問題点を探る事にした。

そこで、2箇所の病院にてお話を伺った。上記のテーマに沿って、患児の現状や、それらに対する支援の内容、遊びの効果などについて教えていただいた。

その中で、2箇所の病院で共通して挙がった課題がある。それが「入院中の患児のきょうだいにまで支援が行き届かない」ということだ。子どもの年齢にもよるが、感染症の危険などの理由により、小学生以下の子どもは病棟に立ち入ることが出来ないことが多い。また、親が患児につきっきりになってしまうことで、悩みやつらさ、寂しさを抱えてしまう、といった現状があると知った。

以上のような経過から、患児のきょうだいに加え、同じような状況になり得る、親が入院した際の子どもに関する支援の必要性を感じ、入院中の家族がいる子どもに対する支援を本研究のテーマに設定した。

発表資料