抄録
A. 目的
アクリルレジンで義歯床を製作する場合,ポリマーとモノマーを混和して加熱重合するのが一般的である.一方,熱可塑性アクリルレジンを加熱で溶解し射出成型システムで製作された義歯床は残留モノマーや吸水性が少なく,製作時には飛散したモノマー吸引による術者への影響も少ないなどの利点が報告されているが,射出条件がレジン床の物性に及ぼす影響については報告が少ない.
そこで今回,射出成型用熱可塑性アクリルレジン「アクリショット」と義歯床用レジン射出成型システム「レジナートシステム」(図 1)を用いて射出条件を変えた場合レジン床の物性に及ぼす影響について検討した.