2014年度  大阪ECO動物海洋専門学校

高機能自閉症スペクトラム障がい児へのアニマルセラピーの効果


2014_ocaeco

抄録

はじめに

これまで自閉症スペクトラム障害(ASD)児に対して、犬の介入効果について、実験的かつ臨床的研究を行ってきた(竹花ら:2009、2010、竹花・稲次、2013;稲次ら、2009)。竹花ら(2009、2010)、稲次ら(2009)および自験例では、重度の知的障害を伴うASD児は、犬の行動を模倣し(伏せる、舌を出すなど)、犬に対するモデルの行動を自発的に模倣するが、犬の意図の読み取りは困難であった。一方、高機能ASD児を対象とした竹花・稲次(2013)では、彼らは犬との心理的な距離感がなくモノ的な認識もしくは犬の示す意図を読み取ろうとする行動は示すが、客観的で正しい判断に欠けた認知を示した。

竹花ら(2008)および稲次ら(2008)では、小学2年生を対象に犬への本の読み聞かせや手紙のやり取り場面での犬の介在効果を検討した。その際に小学生用ストレス反応尺度(SRS-C)(簡易版竹花改変)を用いて、児童の心理的ストレス軽減効果を報告した。

竹花・稲次(2013)は、高機能ASD児(小学生群および中学生群)の生理的ストレス指標として、唾液アミラーゼ濃度を用いて、既知の犬および既知の人への反応特性を検討した。

ASD児の唾液アミラーゼ活性とストレスに関して、加藤ら(2011)は歯科診療前に比べ診療後に唾液アミラーゼ活性値の有意な減少を報告し、渡邊ら(2011)はDVD視聴前よりも視聴中にアミラーゼ活性値が低下した。さらに渡邊ら(2011)では好みの課題遂行時に、重度の自閉症児のアミラーゼ活性値が低下することを報告した。矢内(2010)は唾液アミラーゼ活性値と心拍数は運動による身体的ストレスに対する交感神経活動の指標になることを示唆した。