抄録
要旨
【背景】男性の不妊原因である造精機能障害は、精巣における正常な精子形成が障害される状態である。造精機能障害として、精液中の精子が認められない無精子症、精子数が少ない乏精子症、 精子運動率が低い精子無力症などが挙げられる。造精機能障害の発症リスクとなる性染色体構造異常として、全 X 染色体過剰 (クラインフェルター症候群) および Y 染色体長腕に位置する azoospermia factor (AZF) 領域の欠失が知られている。
【目的】造精機能障害患者 (無精子症、乏精子症、精子無力症) における性染色体構造異常 (欠失または重複) の有無を明らかにする。新規の性染色体構造異常が認められた場合、その異常 が疾患発症に関与するか否かを検討する。