抄録
【背景および目的】
現在、平成18年度に厚生労働省が行った調査によると、全国の身体障がい者数は348万人と推定されている。その内、視覚障がい者数は、31万人と推定されている。身体障がい者の中でも視覚障がい者の外出の頻度は少ないとされ、それに加え、視覚障がい者が気軽に体を動かせるスポーツ・レクリエーションが他の身体障がいのスポーツ・レクリエーションと比較すると少ない。そのため体を動かす機会も少なく運動不足や地域交流への減少が問題視されている。これらの問題を障がい者スポーツの授業を通して知り、そこで、視覚障がい者の方と健常者の双方が運動の楽しさに触れ充実した生活にしてもらうために新しくスポーツ・レクリエーションを考案することとした。
【方法】
京都視覚障がい者協会の協力のもとレクリエーションを考案、某専門学校生徒(アイマスクを着用した健常者)計20名に実施、インタビュー調査をし、改良・修正を行い完成させた内容を、京都府視覚障がい者協会の関係者計11名に実施、インタビュー調査を行う。ルールは以下の通りである。
(1)2人一組のチーム制(2)攻守に分かれ攻撃チームの1人がボールを打って相手コートのエンドラインを超えれば得点となる(3)守備チームは攻撃チームのボールがエンドラインを越えるのを防げれば得点となる(4)守備チームにはペナルティがあり、下半身でブロックすれば攻撃チームにPK
今回使用した道具は段ボールをまとめたスティック・鈴を入れたカプセル容器・紐を入れたラインテープ。
【結果及び考察】
本レクリエーションを実施後アンケート調査をした結果、楽しかった・またやってみたい、鈴の音が聞こえづらいとあった。交流の機会が少ない視覚障がい者にとって体を動かし交流の場となる良い機会となった。仮実施と実施環境の違いまたコンセプト重視し特別な用具を使用しなかった為とされる。
本レクリエーションの考案・実施を視覚障がい者の方々と実際に打ち合わせや模擬を重ね、私たち自身が視覚障がい者の考えや想いに直に触れる機会になった。このことを発表することにより京都医健専門学校の学生に視覚障がい者の考えや想いを共有する場となった。