2016年度  京都医健専門学校

瞳孔間距離と周辺視・中心視の関係


2016_kyotoiken

抄録

【要旨】

 本研究では、瞳孔間距離と周辺視・中心視の関係について調査した。実験は、健常な某専門学生男女38人を被験者とした。定規を用いた瞳孔間距離測定、スクリーンに0.25秒間数字を投影し、見えた範囲内で解答用紙に記入するテストを各3回ずつ実施した。その結果、瞳孔間距離と視覚能力の間に相関は見られなかった。しかし、複数競技経験者は双方のテストで正答数が多く、またT検定の結果から周辺視において有意差が認められた。

【Keywords】瞳孔間距離,周辺視,中心視

【背景及び目的】

2020年の東京オリンピックに向けて現在各地で人材発掘が行われている。そして、スポーツパフォーマンスと視覚能力の関係性については、様々な先行研究がなされており、その重要性が明らかにされている。しかし、人材発掘において、視覚能力の測定項目が含まれることは少ない。その要因として専門的な機器が必要なため、測定が困難である事などが考えられる。

また、顔の形態的特徴が視覚能力に繋がっているという研究結果も少ない。そこで本研究では、測定が比較的容易な瞳孔間距離と周辺視・中心視のテストを用いてその相関を検証することとした。本研究の結果を明らかにすることで、瞳孔間距離測定が人材発掘に役立つことを目的とした。