2017年度  新大阪歯科技工士専門学校

CTデータを用いた三次元オーダーメイド頭蓋骨咬合器の試作
-金属補綴物がある患者での頭蓋骨模型試作-



抄録

A. 目的

多くの咬合器は顎運動を再現する場合,運動経路を直線的にしか再現できない.昨今,顎運動測定器や CT 画像 解析ソフトウェアの普及により,患者固有の顎運動の再現がコンピュータ画面上で可能となった.そこでCT データを活用して顎関節を立体的に再現することで,より生体の動きに 近いオーダーメイド頭蓋骨咬合器の製作が可能になると考えられる.

本実験では 3D プリンターを用いて CT データから三次元模型製作し,臨床への応用の可能性について検討した.

B. 材料および方法

男性(33歳)の頭部を歯科用コーンビーム CT 装置(3 DeXam,KAVO)と医科用X線CT組合せ型ポジトロンCT装置(Discovery ST Elite、GE Healthcare)を用いて撮影した. 得られた DICOM データから三次元 CAD(exocad,GeoMedi) を使用し,上顎骨と下顎骨の STL データを作成した.このデータを用いて熱溶解積層型 3D プリンター(Bellulo 200,システムクリエイト)で頭蓋骨模型を製作した.積層する樹脂はポリ乳酸フィラメント(PLA,システムクリエイト)を使用し,ピッチ 0.2mm で積層した.樹脂の溶解温度は 215°Cで,3D プリンターテーブルの温度は 60°Cとした.

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