抄録
1.はじめに
私たちのグループでは、メンバーの4人中2人の身内にろうの人がいる。「ろう」とは、耳の聞こえにくい人や聞こえない人のことを言い、聴覚障害の区分の1つである。グループの中で話をしていると、普段からろうの人と関わりを持つ人達と、ろうの人と関わりが少ない人達との間ではどのような意識の違いがあるのかと疑問に感じた。そこで私達が保育士として関わりを持つことになる子どもを対象に研究を進めることにした。まず、健聴児はろう児に対してどのような関わりをもつのかをみるために、3日間のダンスイベントを開催した。イベント初日では、子ども達はろう児に対し分け隔てなく関わる姿が見られた。しかし、2日目以降は、コミュニケーションの取り方に違いを感じ、少し戸惑う姿が見られた。そこで私達は、子どもとろう児がコミュニケーションを取り合うための機会をつくることで、理解が深まり、ろう児との関わりに対する興味や意欲がわくのではないかと考えた。