抄録
要約
本研究は読字記憶において音読、黙読のどちらが有効か、また、文字を表記する色は何色が良いのかを調査することで、より効果的な学習方法を提案することを目的とした。方法は本校の学生291名に対し、音読、黙読、さらに文字の色を黒、青、赤、橙、緑の5色とした条件下で、クロスオーバー法を用いて再生テストを行い、平均値を比較し、分析した。その結果から音読と黙読では黙読が、5色のうちでは青色、次いで黒色と赤色が読字記憶に適していることが示唆された。
環境設定が不十分であることなど今後の課題もあるが、今回の研究結果から、勉強の際に覚えたい箇所を青色に表記することで、読字記憶に良い影響を与え、成績の向上にもつながるのではないかと推察された。また応用として、名刺の名前の色を青色で表記することで、名前を覚えて貰いやすくするなどの応用も可能ではないかと考えられた。