抄録
1. 序論
卒業研究にあたって、パーキンソン病の実態とその心理面の変動について調査した。パーキンソン病は進行性病変であり、その心理面の状態がどのように移り変わっていくのかを知りたいという思いから、この研究がスタートした。
心理面をより詳しく知るために ADL レベルと心理面に関する項目を個別に点数化し、その比較が行えるように工夫しアンケート調査を実施した。そのことにより患者一人一人それぞれの QOL の向上に言語聴覚士として、どのようなアプローチが可能であるかという側面についても考察を行った。
また、患者の生の声を聴くために1人のパーキンソン病患者のインタビューを行ったので合わせて報告する。
尚、予備検査として言語聴覚士がパーキンソン病患者に行う訓練を健常者7名で1カ月間施行し、健常者においてもその訓練効果があるのか検証した。さらに、予備調査を通じての感想や臨床場面に生かしたい思いなども報告する。