2021年度  大阪医療技術学園専門学校

障害認識へのアプローチ
~エピソード記憶が改善した一症例~



抄録

要 約

本症例は、辺縁系脳炎により、両側海馬・尾状核頭・被殻外側に高信号域を認めた。主な症状である記憶障害に加え、病識の低下、注意障害を認めた症例である。各種検査結果より近時記憶の項目のみ短期間で改善を認めたにも関わらず、エピソード記憶障害が残存していた。本症例は比較的若年であり、病識の低下と前向性健忘が今後の日常生活に大きな支障を与えると考え、病識に対するアプローチとPQRST法を用いた訓練を行った。その結果、病識低下の改善、所要時間の減少、注意力の改善を認めた。今後も引き続き介入することで、さらなる改善に繋がることが期待される。

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