2008年度  東京医薬看護専門学校

廃棄系バイオマスを用いた機能性材料の開発
2. バイオマスへの重金属の吸着挙動(1)


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抄録

1. 序論

 私たちの地球は、大気、水、土壌の3 つから成り立っており、人間を含む動植物はこれらの恩恵を受け生きている。私たち人間の行動によって地球に環境問題を引き起こし、ひいては地球の循環能力にも影響が起こる。

 現代社会は石油等の化石燃料を基盤とした消費社会であり、時代と共に大量の化学製品を生み出した。これらの製造過程で二酸化炭紫の排出、大気汚染、水質汚染への影響がしばしば問題提起される。

 特に水は、生命活動に欠かすことのできない飲料水の源であり、海水、湖沼水、地下水、河川水などに分けられる。地下水は、地殻中の嫌気性が強く微生物による好気分解が大気中より難しいので、汚染水が河川や湖沼水に流れ込み新たな汚染も起こしたりする。湖水は他の水と混ざり合わず、一度汚染が起きてしまうと、浄化までに莫大な時間がかかってしまう。河川水には、生活排水、産業排水が排出される。海水は、地球上で最も重要な浄化作用を司り、沿岸では生命活動の源の発生極が生産される。しかし、近年の海洋に関する汚染も著しい。

 水質汚染は様々であり、富栄養化、赤潮、アオコ、重金属汚染が現在でも存在する。富栄養化、アオコ、赤潮は、主に人間活動によって水中の窒素,リンが過剰となり、藻類が異常繁殖して水圏の生態系を壊してしまう。特に重金属汚染は、産業排水中のメチル水銀によって引き起こされた水俣病、カドミウムによるイタイイタイ病が日本で引き起こされた公害である。またアジア各地で重金属汚染が報告されており、パングラディシュでは砒素による地下水汚染、中国で工業排水からカドミウム、鉛、砒素等による河川、海水への汚染がある。重金属汚染は、局地化され易いため、浄化に時間がかかり、食物連鎖内に介入してしまい人間が摂取することが多くある。