2005年度  東京バイオテクノロジー専門学校

大豆イソフラボンによるマウス血中脂質及び免疫系に与える効果


2005_bio

抄録

 大豆イソフラボンアグリコン(以下、イソフラボン)は、味噌や納豆などの大豆発酵食品に多く含まれており、骨粗緊症の予防、更年期障害の軽減、血中コレステロール抑制効果、免疫賦活作用などに効果を有する成分として大きな関心が寄せられている。最近の健康ブームから、サプリメントとしての摂取が増えている。その際、イソフラボンの摂取量と生理作用の関係を検証することは極めて重要であると考えられる。そこで我々は、イソフラボンの生理作用として血中コレステロール値(総コレステロールおよび LDL コレステロール)と免疫系の代表的な臓器である牌臓の白血球数の変化に注目し、投与量との関係を検証した。

 コレステロール抑制効果の検証については、ddY マウス 5 週齢雌に、5% 量ラード含有高脂食を 3 週間与えた。同時に、イソフラボン溶液 10、50、100μg/head をそれぞれ 1 回/日経口投与し、血中総コレステロール値および LDL コレステロール値を比較検討した。コントロール群は通常食、高脂食群は高脂食を与え、それぞれ PBS を経口投与した。

 その結果、血中総コレステロール値および LDL コレステロール値ともに、高脂食群に対して、投与量依存的に低下した。特に、100μg 投与群で有意に低下した。