2005年度  東京医薬専門学校

ユズ種子中の各種リモノイド類の分離分析及び生理活性作用の評価


2005_tcm

抄録

 私達はグリーンケミストリーとゼロ−エミッションの観点から値物バイオマスの一つであるユズを余すことなく活用するための方法やシステム構築を検討した。昨年までに私たちのコースでは、レモンやユズ残渣の食物繊維を用いた低コストで環境に優しい重金属吸着剤の合成に成功し、さらに種から抽出したシードオイルの抗酸化能を示唆した。本年度はシードオイル搾汁後の残渣にも注目し、より詳細な検討を行った。

 ユズは日本では古くから食品、香料、漢方として親しまれてきた。近年、ユズ中のビタミン類やリモノイド類が活性成分として注目されている。リモノイドには脂溶性のアグリコンと水溶性の配糖体が存在し、いずれも種子中に多く含まれている成分である。脂溶性成分中のリモニンやノミリンなどのアグリコンには抗般化作用や抗がん作用があることが報告されているが、水溶性の配糖体に関する研究報告はまだ多くない。そこで、我々は配給体に関する化学的な性状を得るために、詳細な抽出分離条件や、in vitro での各種活性試験を試みた。

 抽出手順はまず、種を細かく砕き、へキサンでオイル分を除き、アグリコンと配糖体をアセトンとメタノールで抽出した。抽出したアセトン層とメタノール層をエバポレートして乾固し、ジメチルクロライドと水( 1:1 ) でさらに抽出し、アグリコンと配糖体に分離した。これらを HPLC と TLC を使って定性した。配糖体は 1H-NMR で糖の存在を確認した。そして抽出した配糖体を SOD 様活性作用試験、過酸化水素消去作用試験、DPPH に対するラジカル消去作用試験、チロシナーゼ阻害活性作用試験の 4 項目について評価した。

 その結果、配糖体にはリモニンよりも高い活性がみられ、それは高い抗酸化カがあると知られている羅漢果にも匹敵するものであった。今後、配糖体の食品や医薬品への応用が大いに期待される。