2012年度  大阪医療福祉専門学校

足底接地面への刺激による作業効率の変化について


2012_ocmw

抄録

1.はじめに

 著者らが講義を受けている際,なかなか集中することができず,ポイントとなる重要な部分を聞き逃してしまうことが多くある.そこで今回,講義中に何らかの刺激を加えることにより,重要な場面での集中力を高めることが出ないだろうか,と考えた.文献によると,立位時に唯一体を支える足底には,足底の感覚情報を集め,脳に情報を送る多数のセンサーがあり,はだし保育では脳が活性化すると言われていることから,足底への刺激に着目した.さらに痛覚刺激によって,βエンドルフィンというストレス緩和作用のある物質が下垂体から放出され,呼吸数と血圧を下げて精神を安定させる働きがあると言われている.そのことから,足底接地面への痛覚刺激によりβエンドルフィンが放出することでストレスが緩和され,集中力や巧緻性が上がるのではないかと考え,今回の実験では感覚の中でも痛覚に焦点をあてた.今回,椅座位で「裸足」になり,足元に人工芝を敷き,足底接地面から刺激を入れることで机上の課題を遂行する際の集中力,巧緻性に変化が見られないか実験を行った.またこの実験から,作業療法士が多く関わる,授業に集中できない子どもへのアプローチの一つとなるのではないかと考えている.