2011年度  東京バイオテクノロジー専門学校

界面活性剤フリーの美容液の作製


2011_bio

抄録

和文要旨

 化粧水と乳液の機能を両方兼ね備えた美容液は、市場にたくさん出回っている。しかし、ほとんどの製品に界面活性剤が含まれている。界面活性剤とは、油と水を均一に混ぜ合わせるものである。安全な界面活性剤もたくさんあるが、中には皮膚に刺激があるものや、環境を汚すものもある。そこで、化粧水と乳液の機能を両方兼ね備えた界面活性剤フリーの美容液を開発することにした。界面活性剤フリーを実現するために、二つの方法で実験を行った。一つ目は、ドレッシングの用に水相と油相を分離させておき、使用時に混ぜて使う方法である。二つ目は、油をカプセルにし、水相の中に分散させ、使用時に潰して水相と混ぜて使用する方法である。ドレッシング式は、分離速度を遅くするために、様々な油を検討した結果、イソノナン酸イソノニルに決定した。さらに、アミノ酸系エモリエント剤を添加することで分離を遅らせることができた。カプセル式は、硬化剤として、寒天を使用し、寒天溶液・油・水をホモミキサーで攪拌し、その溶液を氷点下の流動パラフィンにパスツールピペットで滴下することで、寒天カプセルを作製した。ドレッシング式・カプセル式ともに、肌荒れ改善・保湿・収斂用に効果別の美容液を作製した。そして、完成品を肌につけ、実際に効果があるかをそれぞれ実験した。さらに加速試験を行い、美容液の安定性を実験したが、特に問題は無かった。