2006年度  東京医薬専門学校

植物資源を用いた機能性材料の開発
1. バイオマスゲルへのレアメタル吸着反応(1)


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抄録

1. 序論

 私達が住む地球は、太陽のもと、水・大気・大地から成り立ち、全ての動植物はこれらの恩恵を受け様々な繁栄を遂げてきた。中でも食物連鎖の頂点に立つ人間は、豊富な道具や知識を得る反面、戦争や水質・大気汚染などの環境問題、過剰な製品の産出などにより地球本来の循環システムに影響を与えることもある。(Fig.1)

 石油や重金属は、エネルギー・燃料・高分子製品・医薬品・機器部品など多くの分野で幅広く用いられる基幹化合物であり、現在の生活に欠かせないものとなっている。しかし、これらを製造する工程の副産物として、二酸化炭素の排出、廃棄物や水質・大気汚染などによる環境問題も挙げられる。特に重金属は、石油と並んで貴重な資源として着目されている。これらは、再生までに非常に長いサイクルを要してしまうため、枯渇資源であるといえる。現在、重金属の回収・除去法は、イオン交換樹脂や、ゼオライト、活性炭を中心として行われているが、合成や前処理にも非常に時間とコストがかかるため、経済発展途上国では、吸着常法としてこれらを使用するのは困難である。

 そこで代替材料として、植物バイオマスを利用した機能性材料の開発を試みた。植物バイオマスは成長の過程で、大気中の二酸化炭素を吸収して成長し酸素を大気中に供給するので CO2 の循環が可能である。枯渇資源の石油と異なり、分解を行う酵素や微生物も数多く存在し、さらに人間のライフライクル程度の短期間で再生することが可能である。